鉄筋とコンクリートそれぞれの特徴について話します。
まず、鉄筋の特徴は圧縮強度と引張強度ともに強いのですが、座屈をして しまうため圧縮強度を十分に発揮す
ることがでさません。そしてさびやすい 材料で、熱を受けると急激に強度が低下するという性質も持っています。
次にコンクリー卜の材料としての特徴は、耐火性が大きく、圧縮強度は強 いのですが、引張強度は圧縮強度の
10%程度しかなく、材料としてのじん性が不足しています。
この2つを合わせると、お互いの弱点を補うことができ、両方の長所を生 かした構造となります。
鉄筋の座屈をコンクリートが抱束し,さらにコンクリートが強アルカリ性 (DH約12.5)なので、その中に埋股されてい
る鉄筋は、さびの生じない環境に保存されることで腐食を防ぐことができ、耐久性を向上させることがで きます。
また、かぶり厚さは、火災時の熱から鉄筋を守る耐火被覆材としての役割 を果たしています。
そして、表面からの深さが深いほど温度が低くなりますので内部の鉄筋の温度が、一定限度以上に上昇しない深
さに鉄筋を配置します。
鉄筋コンクリート構造は、鉄筋とコンクリートそれぞれの特長を生かして建物に加わる各種の荷重に抵抗するとともに、
耐久性を確保しています。
ただし、施工時に鉄筋の位置がずれていると計算通りに応力を負担させることができなくなるので注意が必要です。施工時の
ことでもう一つあげると、かぶり厚さも変動しやすいので注意をします。
以上、鉄筋の役割を良く理解し、細心の注意を払って施工することが大切です。